SF作家ブルース・スターリングとデザイナー・研究者のジェームズ・オーガーへのメールインタビューを太田が翻訳・構成。デザインフィクションとスペキュラティヴ・デザインの実践と理論について、第一線の実践者たちが語る。

スターリングは1990年代にSFを牽引した作家であり、「デザイン・フィクション」概念の提唱者として知られる。インタビューではデザイン・フィクションの倫理的側面、「フェイクニュース」との関係、アート&デザインとテクノロジーをめぐるグローバル資本主義下の言説について語っている。オーガーはRCAでスペキュラティヴ・デザインの教鞭を執った後、自らの実践を「再─制約デザイン(Reconstrained Design)」と再定義。「ニュートン・マシン」プロジェクトの事例を通じて、デザインの制約条件を意図的に操作することで虚構世界(diegesis)を構築するアプローチを論じている。

ANTICONVENTIONAL OBJECTS ダイアグラム(ブルース・スターリング)
スターリングによる「ANTICONVENTIONAL OBJECTS」ダイアグラム。Desirable(望ましい)・Buildable(作れる)・Profitable(儲かる)の3条件を満たす「Conventional Objects(普通のモノ)」の外側に広がる領域を図示している。

川崎和也 監修・編著の書籍『SPECULATIONS──人間中心主義のデザインをこえて』(BNN新社、2019年)pp.200–208に収録。太田は同書の「2-3. フィクション:現実と虚構のインターフェイスをデザインする」セクションの編集にも携わっている。