京都工芸繊維大学KYOTO Design Labにて2019年6月18日に開催されたミニ・シンポジウムの記録。水野大二郎教授(KYOTO Design Lab特任教授)と岩渕正樹氏(D-labデザインリサーチャー・イン・レジデンス)による対話形式の講演を構成した。
発表は二部構成。第一部では1960年代から現代までのデザインリサーチ言説史を振り返る。デザインリサーチ(Design Research)とは主に、製品やサービス開発における多様かつ複雑な問題の解決策を導くための、デザインプロセスを研究する学術領域のことを指す。ヒュー・ダバリー(Hugh Dubberly)デザイン事務所によるデザイン方法論の整理から、マット・マルパス(Matt Malpas)のクリティカル・デザイン研究まで、体系的な研究史の概観を提供する。
第二部「"ユーザー"を超えて」では、2010年代中盤から後半にかけてのデザインリサーチの現在を、スペキュラティヴ・デザイン、トランジション・デザイン、ディスカーシヴ・デザインという3つのキーワードから把握する。アンソニー・ダン&フィオナ・レイビーの提案から20年余を経た今日、それらの手法が世界で実践される状況を概観している。